Faculty of Agriculture

農学部

この牧農場から、
日本の食糧自給率に貢献できる研究を。

私は「環境にやさしい農業を確立しよう」という主旨で研究に取り組んでいる作物学研究室に所属しています。
「緑肥作物」と呼ばれる、肥料として利用できる植物をご存じですか? 代表格にレンゲやクローバがあります。私は緑肥作物を活用したコムギの栽培法を研究しており、研究材料として扱っているのがマメ科のへアリーベッチという作物です。これはソラマメと同じ属の植物です。作物を育てるのに欠かせないのが土壌に含まれる栄養素ですが、特にコムギが子実をつけるには、タンパク源となる窒素を豊富に与えなくてはなりません。マメ科植物の根元には、植物と共生して大気中の窒素を固定して植物に供給する微生物の「根粒菌」が集まります。コムギとへアリーベッチを同じ場所で育て(混作といいます)、根粒菌を活用することでコムギの収量や品質が向上するのでは? という点からこの混作の研究をしています。

私は自然環境が豊かな地域で育ち、自然を相手に植物を育み、生命や食について考える農学という学びに興味を持って農学部へ進みました。といっても農作業は経験がなく、入学後の実習では初めてのことだらけで驚きの連続でした。しかし実際に圃場でいろいろと体験してみると想像していた以上に喜びや達成感がありました。植物は少しの間観察しなかっただけでも、どんどんと様子が変化することに気がつきます。卒業研究で自分の研究材料である作物を自らの手で育てるようになると、少しの成長でも嬉しく、農場に通うのが楽しみになります。

私が卒業研究で栽培しているコムギは、パンを焼くのに適した国産のパン用コムギの品種です。現在、パン用コムギの自給率は2%にも満たず、これからの時代の食糧問題を考えた際にその自給率の向上は欠かせません。環境にやさしい栽培技術を開発して自給率アップに少しでも貢献できる研究成果を得ようと、日々楽しみながらも頑張っています。

玉置 幹
農学部 資源生物学科 4年生
作物学研究室 所属
洲本高等学校 出身

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